米ドル決済と米国の顧客を抱えながら、同時に米国の制裁対象となった中国企業とも取引がある——そんな「板挟み」の会社にとって、今年5月の動きは見過ごせません。
2026年5月2日、中国商務部が初めてのブロッキング命令を発出しました。根拠となるのは2021年に制定された「外国の法律・措置の不当な域外適用を阻止する規則」で、5年間動かずにいたものが、初めて実際に発動されました。だからこそ、今(7月)になって各国の法律事務所が相次いで分析を出しています。ゲームのルールが変わったのです。
対象は、イラン産原油の購入・加工を理由に米国OFACのSDNリストに載せられた中国の地方製油所5社。命令は、中国国内の主体がこれらへの制裁を承認・執行・遵守することを禁じます。中国の個人・法人のほか、中国国内の外資系子会社にも適用されます(在中の外国人個人は対象外)。
多くの人はこれを「盾」と読みますが、実は逆です。銀行・保険・サプライヤーなど板挟みの企業は、OFACに従えば中国の命令に違反し、中国に従えばOFACに罰せられる——一方への対応から、二重のコンプライアンス衝突へと追い込まれます。
まず自社のエクスポージャーを洗い出し、凍結や取引停止を急がないこと。次に報告・免除の公式ルートを使うこと。そして全ての判断を記録に残すこと。OFACの運用は個別性が高いため、現地弁護士にご確認ください。まずは「両側に触れる取引」の一覧作りから。ご相談ください。
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呉展鵾弁護士 · 渉外弁護士
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