中国司法部の報道官が、EUの外国補助金規則(FSR)に基づく調査の一部について「不当な域外管轄」と公式に表明しました。中国企業の欧州進出にとって、主権レベルの反論ではありますが、規則自体は引き続き厳格に運用されています。

FSR(規則(EU)2022/2560、2023年7月適用開始)の要点を整理します。

M&A申告:被買収側のEU売上が5億ユーロ以上、かつ当事者が過去3年間に受けた「外国財政的貢献」が合計5,000万ユーロ以上の場合、欧州委員会への事前申告が必要。

公共調達申告:契約額が2.5億ユーロ以上、かつ単一の第三国から過去3年間に400万ユーロ以上の貢献を受けている場合、入札時に申告義務。

注意すべきは「外国財政的貢献」の範囲が広いことです。補助金だけでなく、国有企業からの受注、政策銀行の優遇融資、税制優遇、土地使用権の優遇まで含まれ得ます。中国系グループが過小評価しがちな部分です。

実務上のポイント:

  1. 過去3年分の外国財政的貢献リストを事前に整備する
  2. グループ内データの階層管理(中国データ安全法との衝突を防ぐ)
  3. デューデリ段階でFSRを赤線項目に組み込む(審査は最長110営業日)
  4. 中国側の公式見解は、EU司法手続上の弁論材料として活用可能

具体的な適用は、最新のEU条文と現地弁護士の意見に基づきます。欧州案件をご検討中の方は、照会票が届く前にご相談ください。

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呉展鵾弁護士 · 渉外弁護士
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