会社の会食中に従業員が被害を受け、その後に複数の幹部が免職されたとしても、それだけで会社の法的責任が終わるわけではありません。

社内処分は、会社と役職員との関係を処理するものです。加害行為が犯罪に当たるかどうかは捜査機関と司法機関が証拠に基づいて判断します。会社が民事上または労務上の責任を負うかについても、別の検討が必要です。

重要なのは、会食と業務の結び付きです。誰が参加を求めたのか、顧客対応を目的としていたのか、費用を会社が負担したのか、従業員が不利益を恐れず断れたのか、管理職が危険を把握していたのか。会場が社外だったというだけで、私的な集まりとは限りません。

被害を受けた方は、チャットの原本、位置情報、支払記録、診療資料、移動履歴、防犯カメラの手掛かりを時系列で保存することが大切です。飲酒した事実は、性的な行為への同意を意味しません。

会社側は、広報対応より先に証拠を保全すべきです。業務チャット、会食の承認記録、経費精算、入退館記録、苦情履歴などを確保し、直属の上司から独立した調査体制を整える必要があります。申告者や証人への不利益取扱いも防がなければなりません。

幹部を免職したという事実は対応の姿勢を示しますが、調査の公正さや被害回復まで証明するものではありません。中国での職場トラブルや日中跨境の社内調査については、事実関係を時系列でお送りいただければ、対応の道筋を整理します。

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呉展鵾弁護士 · 渉外弁護士
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