上海でこのほど、中国初の生成AI大規模モデルに関する著作権侵害訴訟の二審判決が下されました。日本のAI関連企業、特に中国市場に進出している、あるいは中国法人のモデルを利用する企業にとって、無視できない判断です。

裁判所は「学習=侵害」とは言いませんでした。一方で「学習は自由」とも言っていません。判断の軸を「出力段階」に移したのが特徴です。モデルが原著作物の表現的要素——具体的なキャラクター、台詞、シーン構成——を再現できる場合、学習段階での利用も「合理的使用」として擁護することは難しくなります。

実務上、最も影響が大きいのは二点目です。中国の裁判所は、モデル提供者を「中立的なツール提供者」とは扱いません。技術力に見合う注意義務が求められます。具体的には、学習データの事前審査、入出力のフィルタリング、権利者からの通知への迅速対応の三点です。

日本企業にとってのポイントは、各国法の違いです。日本の著作権法第30条の4は、非享受目的の機械学習に比較的寛容な特例を設けていますが、中国・EU・米国はそれぞれ異なる枠組みです。中国で適法に学習したモデルでも、海外展開時には現地法の再評価が必要になります。

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呉展鵾弁護士 · 渉外弁護士
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