中国の麺チェーン「遇見小面」をめぐる騒動が、ここ数日で消費者法の興味深い論点を浮き彫りにしている。

広州発祥のこの中国チェーン(2025年12月香港上場)は、4日間で2度炎上した。最初は、河南省南陽の40平米の小さな夫婦経営の麺屋を商標侵害で提訴したこと。次は、創業者が深夜に謝罪文を出し、その商標を無償で譲渡したこと。その流れの中で、ネットユーザーが過去の目論見書を掘り起こした——「全メニューの約80%が事前調理済み(元従業員の証言、企業カスタマーサービスも確認)」。

世間は「これは要するに調理済み食品(予制菜)でしょう」と批判した。ところが、法律の世界では話が違う。

2026年2月、中国国家衛生健康委員会が、初の調理済み食品に関する国家食品安全基準(意見公募草案)を公表した。その定義条項は、「セントラルキッチンで調製された料理は含まない」と明記している。つまり、この案がそのまま成立すれば、当該チェーンの料理は法的には「調理済み食品」に分類されない。

消費者の感覚と法律の定義のあいだに、はっきりとしたズレがある——ここに消費者保護の論点が集中する。

第一に、表示しないこと自体は、現時点で行政違反にはあたらない。2024年に6省庁が出した通達は、飲食店での予制菜表示を「推奨する」と書いており、「義務付ける」とは書いていない。

第二に、本当のリスクは積極的な宣伝にある。「手作り」「店内調理」と謳いながら実際は再加熱の場合、中国消費者権益保護法第55条(詐欺)および広告法第28条(虚偽広告)に抵触し得る。

第三に、消費者には「知る権利」がある。消費者権益保護法第8条が、商品の真実の情報を知る権利を明文で保障している。実務上、私が中国に進出する日系外食企業に助言しているのは、「店舗スタッフが正直に答えられるよう、社内SOPを整備しておく」ことだ。

中国市場に出る日本の飲食ブランド、あるいは中国側の運営契約を見直したい日系企業の方、契約条項とマーケティング表現のレビューが必要であればご連絡ください。

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呉展鵾弁護士 · 渉外弁護士
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