2026年7月1日、中国「国務院対外投資規定」が正式に施行されます。中国から海外へ投資を行う企業、また日本側で中国企業の進出を受け止める実務担当者にとって、しばらく無視できないテーマになりそうです。
今週、私の事務所には三社の相談が同時に届きました。メキシコのモンテレイで工場を立ち上げる企業、ブラジルのサンパウロで倉庫を構えるEC企業、そして東南アジアと中東を狙うAI SaaS企業です。質問の中身は違っても、最初の一言は同じでした。「七月一日に間に合いますか」。
結論から言えば、間に合います。ただしペース配分の見直しは必要です。
これまで中国の対外投資は、発改委登録・商務部登録・外為登録という三本立ての規制が並行しており、地方ごとに解釈の幅もありました。今回、国務院規定として一本化されたことで、グレーゾーンが縮小します。
実務上、注目すべき変化は三点です。
第一に、投資前デューデリジェンス・投資中コンプライアンス・投資後報告が「推奨」から「法定義務」へ格上げされました。資金を先に送金して後で書類を整えるという従来の慣行は、利益送金の段階で詰まるリスクを抱えます。
第二に、機微業種(レアアース、蓄電、半導体材料、農地、メディア等)の認定基準が国務院レベルで明確化されます。
第三に、データコンプライアンスと投資コンプライアンスを切り離して考えることができなくなりました。PIPL(中国個人情報保護法)と現地法を同時に満たす設計が前提となります。
七月以降に始動する案件は、最低60〜90日のコンプライアンス窓を確保することをお勧めします。
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呉展鵾弁護士 · 渉外弁護士
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